保険会社から「治療費打ち切り」が通達されたときの対応方法

代表弁護士 佐々木 一夫 (ささき かずお)

受傷部位にまだ痛みや違和感が残っているにもかかわらず、保険会社から「そろそろ症状固定の時期だ」等の理由を告げられて治療費支払いを打ち切られてしまうことがあります。

万一このような事態に遭遇しても、焦って通院を中断すべきではありません。保険会社の判断で短縮された支払い期間は、弁護士の交渉で延長可能です。
治療費打ち切りに際してどのような対応をとればよいのか、支払いの一般的な仕組みを踏まえて解説します。

保険会社から治療費が支払われる仕組み


交通事故では通常、任意保険が自賠責保険からの賠償金支払いをまとめて取扱います(一括対応)。一括対応では、保険会社から医療機関へと治療費支払いが直接なされており、被害者本人の窓口負担は発生しません。

ところが、この支払いを月内で打ち切ると保険会社から通達されることがあります。
交通事故によるケガ(第三者行為による傷病)には、健保適用は認められないことがあります(本当は健保を利用できるのですが、医療機関が嫌がることが原因です。)。保険会社の主張通りに打ち切られてしまうと、被害者本人にたちまち自由診療の10割負担が生じ、家計が追い付かず治療継続が難しくなってしまうのです。

治療中断のデメリット


医師から指導されているにも関わらず経済的理由で治療を中断してしまうと、入通院慰謝料の請求・後遺障害等級認定の両方で支障があります。

そもそも入通院慰謝料は、治療期間に応じて計算されるものです。
一方の後遺障害の認定では、医学的措置の継続によって達したケガの最終的状態(=症状固定)が重視され、自然治癒あるいは患者の自己判断による治療は認定基準になりません。後遺障害の認定を逃すことで、最も低い14級でも得られるはずだった慰謝料110万円(裁判所基準)を失う結果になります。

治療費打ち切りを受け入れるのは、本来得られる損害賠償金を大幅に減じ、加害者に有利な状態を作ってしまう結果に繋がるのです。

治療費打ち切りトラブルの対応方法


治療費支払いを打ち切られたときは、①保険会社に支払い延長を認めさせる交渉に加え、②交渉中に治療を継続するための費用を迅速に確保する手配が必要です。

①治療費支払いの延長交渉

被害者の自覚症状だけでなく、医学的観点から見ても「まだ症状固定に達していない」事実を説明し、支払い継続が義務であることを説明します。

②治療継続のための費用確保

健康保険(保険診療による3割負担)あるいは労災保険(窓口負担なし)の適用を検討し、又はいったん支払った任意保険による一括対応を中断して自賠責保険から直接給付させる「被害者請求」の手続きを適宜行います。

まだケガが治りきっていない被害者の独力でこれらの対応をするのは、困難と言わざるを得ません。延長交渉では保険会社が強硬な態度を貫くケースが多く、主張が認められる可能性は極めて低いでしょう。

  • このような事態では、交通事故について法的知識と交渉力を有する弁護士のサポートが不可欠です。

「治療費打ち切り問題」での弁護士によるサポート内容


交通事故専門の弁護士には、被害者の主観的な痛みを法的表現に換言して伝えるスキルが備わっています。各種保険の仕組みへの理解を通じ、経済的事情に妨げられず治療を継続するための提案力にも優れています。

合理的主張に基づく延長交渉


治療費支払いの打ち切り理由として、多くの場合「過剰診療」や「症状固定の一般的な時期」を指摘されます。これら保険会社の一方的な主張は、弁護士が延長交渉の代理人を務め、医学的に合理性のある説明を実施することで退けられることも多いです。

弁護士法人アクロピースでは、介入後速やかに依頼人のお身体の状態を確認し、医療照会等を通じて治療継続の必要性を立証できる状態を整えています。

保険適用のアドバイス


各種保険の適用時は、最終的に手元に残る賠償金の計算を含めて判断しなければなりません。
専門的知見を有する弁護士であれば、そもそも保険適用の条件は整っているか(事故状況・指定医療機関への通院条件)を検討した上で、示談成立時の経済的利益を100%に近づけるための適用アドバイスを提供できます。

等級認定を見越した請求手続きの切換え判断


被害者請求への切換えのメリットのひとつは、示談成立に先んじて給付上限内で賠償金を受け取れる点です。さらに症状が残存する可能性が高い場合、等級認定に任意保険担当者を介入させず、被害者側で後遺障害について立証可能な資料を取りそろえてから申請できる長所もあります。

治療費打ち切りトラブルを受任した弁護士には、等級認定から示談成立までの全体のプロセスを任せられます。経験豊富な依頼先を選ぶことで、被害者請求への切換え判断をケース毎に的確に実施できます。

治療費打ち切りトラブルは当事務所にお任せください


治療費打ち切りの通達があったときは、延長交渉と並行し、治療継続するための費用を迅速に確保する手配が必要です。
万一の通達時は速やかに弁護士に任せることで、保険会社の強硬な態度に阻まれることなく通院治療に集中できる環境を取り戻せます。

1,200件の相談実績を有する弁護士法人アクロピースでは、ご状況をお伺いして速やかに対応方法を判断するスキルに自信があります。急な保険会社からの申し出でお困りの方は、無料で承れる土日夜間のご相談(※要事前予約)も気兼ねなくご利用ください。

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